メイン

Movie アーカイブ

2006年11月22日

「プラダを着た悪魔」

prada.jpg

メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ他
ジャーナリスト志望の女性が勤務することになった著名ファッション雑誌の編集長アシスタントのライフストーリー。そのボスはプラダを着た、悪魔のようなファッション守護者(ストリープ)。

オープニング、アン・ハサウェイが歯磨きをしているアップに、いきなりストリープのクレジット・タイトルが入るのにまず驚いた。この映画、主役はいったいどっちだ?
結局のところ、ストーリーの主役はハサウェイである。しかしストリープなしには始まらない映画だ。

ストリープは、彼女にしかできない役柄をこなしていると言える。冷徹な悪魔でありファッションとその雑誌の守護者である。その冷徹さを隠すささやくような口調(「That's all..」)とかすかな微笑み。わずかに見せる素顔のヒューマニティ。そのどこにも揺るぎがない。

映画の中で、ファッションとそれに対する一般の無関心に関する一つの意見が、一度だけ彼女の口から語られる。残念ながらそれはあまり印象的な場面ではないのだが。「(ファッションに)無関心なあなたでさえ、我々が作り出した色を着ている」。そこに冷然とした彼女のプライドが見える。

映画のラストシーンは様々なパターンが検討されるという。ハッピーエンドになったりその逆であったり。私は、ストリープが最後に微笑まない終わりもあるだろう、と感じた。それもまた面白いはず。
苛烈なファッション業界の有様の一端が伺える気がする。

また、「ニューヨークが生き返った」という感じがした。この町は再び、ラブストーリーやライフストーリーの場として「恋に落ちて」のようなヒューマンな映画が作れる世界に戻ったのだ。
映画で絵が描かれるパリが、まさしく「ガイジン」からみたパリなのも面白かった。それはガイジンが描いたトウキョウと何ら違いがない。

2006年12月31日

「ドラゴンヘッド」

<dh.jpg

movie:「ドラゴンヘッド」監督:飯田譲治、原作:望月峯太郎、妻夫木聡、SAYAKA、山田孝之他

私は原作を読んでいない。読んでいる人にはかなり物足りない映画として写っているようだが、単に「映画」として見て評価する。

何らかの理由でカタストロフィックな破壊を受けた日本(あるいは地球?)で、列車事故に巻き込まれた二人の高校生が故郷の東京を目指す物語。

先述のごとく、原作との対比で批判も多いようだがが、映像作品としては楽しめた。はじめからダークな感じで始まり、壊れたいじめられっこに驚愕し、そのまま最後までそのダークで救いのないリアルな世界に没入していた。

爆破のシーンや荒野のイメージを見て、恐ろしくよくできたCGだと思っていたのだが、実はそうではなくて、ウズベキスタンでの実写ロケだったのだ。なぜウズベキスタンだったのかは知らないが、荒涼としたイメージをとるのに平原の世界は適切だったのかもしれない。(エキストラとしてアジア人の現地の人たちを使える、というメリットもあったのかもしれない。その辺りは例によって日本の監督はあまりしゃべらないので、よくわからない。)

とにかく映像と、説明のないダークな世界観に引き込まれて楽しめた。原作を知っていればあれがない、これが抜けている、描ききっていない、といろいろな批判を私も持ったかもしれないので、それなしだったのが好運だったかもしれない。
映像作品としてはお薦め。

2007年03月13日

「ビフォア・サンセット」

一気呵成シリーズ:
bs.jpg

ビフォア・サンセット:出演: イーサン・ホーク, ジュリー・デルピー、監督: リチャード・リンクレイター
DVDをかけると、いきなり予告編がでてきた、今回の主演と同じイーサン・ホークとジュリー・デルピーが、列車で知りあい、降りたウィーンで夜明けまでを過ごす。タイトルは「ビフォア・サンライズ」
本編はこの予告編の続編だった。

前作の映画の制作時期とリアルタイムに同じ8年という時間が過ぎ去った設定で始まる。二人はパリで再開する。そして、その間の出来事を、その日の日没までに語り合う映画だ。

ほとんど二人だけの会話劇で、彼らが歩き、カフェに座り、また歩き、船に乗り、という一連の時間の流れに沿って、長回し風にリアルタイム的にずーっとステディカムで追いかける。その撮影方法自体がとても面白い。
場面が会話だけなので、その会話そのものの楽しさが鍵だ。自然でインテリジェントな会話で、まるで普通に話している感じで、ずっと微笑んで見ていることができた。
そして8年を過ぎての秘めた気持ちが語られる。後戻りできない人生の運命と共に。
ビフォア・サンライズもみてみたい

2007年03月17日

「渚にて」

一気呵成シリーズ:

otb.jpg

「渚にて」監督:スタンリー・クレイマー、原作:ネヴィル・シュート、出演:グレゴリー・ペック、エヴァ・ガードナー、フレッド・アステア、アンソニー・パーキンス他

ネヴィル・シュートの原作は、文庫本で何十年も前からうちにある。そのその映画化だ。1959年作。
冷戦の時代を背景にしたフィクションだ。
核兵器による世界大戦が起きて、地球的に核汚染された北半球からアメリカの原子力潜水艦がオーストラリアに逃げてくる。そこで起きる物語だ。

これは、全て死に行く運命の人たちの物語である。南半球に住む彼らも、いずれは死ぬことを運命づけられている。兵士も、その妻も、まだ1歳にも満たないその子供らもだ。近い将来誰もが等しく死ぬ。
逃げようなく北から徐々に迫ってくる死の気配が、恐怖をもたらす。全編に死の恐怖が漂っている。

50年近くも前の映画ながら、提示している問題はきわめて現代的で、爾来解決していないのかもしれない。リアルな危機感をずーっと感じながら見た映画だ。

秀作である。一見をお薦めする。

最近テレビドラマとしてリメイクされたようで「エンド・オブ・ザ・ワールド」としてAXNなどで放送されるらしい。

About Movie

ブログ「sheemer's weblog」のカテゴリ「Movie」に投稿されたすべてのエントリーのアーカイブのページです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のカテゴリはMiscです。

次のカテゴリはMusicです。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。