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2007年03月17日

「大江戸生活体験事情 (文庫) 」

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一気呵成シリーズ:
江戸的生活作法を2年間実地にやってみてその本質を、生活とエネルギー消費の観点からレポートした本。
いくつかの生活の実体験が書かれている。
・不定時法:「明六つ・暮六つ」で生活する。慣れると日の高さで時間を推測できる。日のあるうちの行動を心がけるようになり、省エネルギーである。
不定時法をとりいれた時計があるかと探してみたら、ネット上ではflashで実装されたものがあった。また時計の文字盤を24節気で入れ替えながら使うことで不定時法に対応した腕時計もあった。「今何時?」「(腕時計を見て)五つです」「?」というのも面白そうだ。
・太陽太陰暦:季節に寄り添う生活になる。
・火打ち石:さすがにこれはやっかい。
・行灯:思ったよりとても暗いが、浮世絵などが非常に美しく見える。
・毛筆:当時は実用技術であったこと。木版を利用した印刷技術のこと。現代の筆との違い(水筆と巻筆)。
・着物:現代的ではないが、過ごしやすく美しい。
・木製品:下駄などの生活について。
・親孝行:親孝行を介護とエネルギーの観点から論じる

全体としては、江戸の生活の省エネルギー性に注目していて、それは現代人のエネルギー消費の100分の一程度であったかもしれないとのこと。自然に則した人間的な生活で、不便もあるが、便利のために工夫と知性をつかったものである、と。

現代に住む自分としても、感覚として取り入れていきたいと思うことがいろいろとあった。面白い本である。

「赤目四十八瀧心中未遂」車谷長吉

一気呵成シリーズ:

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作者本人が、NHKの白洲正子を紹介するテレビ番組に出ていた。あの白洲正子がが受け入れた人?、ということに興味を持ち、本を読んでみた。

人生から逃げるように転がり落ちてきた男が、尼崎の最下層民?の世界で出会う物語だ。自分を陰惨に見捨てている主人公のあり方に、なぜか共感し、引き込まれるように読み通してしまう本だった。そして自らが見捨てた、干からびた人生にも、人とのつながりと物語が生まれる。悲惨な物語が。
そしてその悲惨を見捨てずに、冷徹に剥き出したように提示する。

なにかダイアン・アーバスの写真のような、収まらない感じ、異分子の感触を感じる。それが離れ難い魅力となっている。
映画化されているらしい。猟奇やグロテスクにそまらずに、異分子であることをそのままにしている映画ならよいがと思う。


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